ともあれ、ヤン・ウェンリーとパウル・フォン・オーベルシュタインの二人は、本質的には同じ魂をもって生まれてきた人間だ、と私は考えています。自分自身の内なる理想のために戦っているという点の他にも、共通点はあります。どちらも凄まじいくらいのリアリストのくせに理想家。そし ヤン艦隊一同は、自己防衛的措置としてレンネンカンプを人質にハイネセンを脱出するが、虜囚となる事を良しとしないレンネンカンプは監房で自害してしまう。 しかし結果としてレンネンカンプの死は、帝国が同盟を完全併呑する口実として利用される事になった。 ロイエンタールの反乱 ロ 参謀としての活躍、さらには軍務尚書としての活躍は幅広く際限が無かった。特に倫理観を重視するラインハルトの決断が鈍るような場面では効率性を重視する方法を積極的に推薦し、時としてはラインハルトの意に背くような行動を取ることもあった。中でもリップシュタット戦役の最終局面においてその姿勢は露骨に表れた。ブラウンシュヴァイク公が自らの領地であるヴェスターラントでの反乱に激怒し、報復行為として熱核兵器による攻撃をしようとした。これを見過ごせなかったラインハルトは艦 …